2024年 イズムの芽 エピソード 語り継ぐ、代表エピソードをみんなで選ぼう

No.1

「美しい」の基準

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経営移管前のデイリーヤマザキの頃、当時高校二年生だった久保玲斗君は、人生初のアルバイトを当店で始めました。税理士を目指し専門学校に進学後、勉強が忙しくなっても変わらずにアルバイトを続けてくれています。
経営移管後、ファミリーマートとして再スタートを切ったタイミングからは発注を任せたり、新人育成の一部を任せたり、と、今や頼れるリーダー的存在となっています。

ある日、久保君が新人にフライヤー清掃を教えていた時、会話が聞こえてきました。
内容は、フライヤー本体だけではなく周りの壁も拭くように、隙間に入り込んだカスも取るように、といったものでした。合間に何度も「仕上がりは『美しい!』と思うレベルで」と言っているのが聞こえ、私は、彼が品出しや在庫整理、ウォークイン、清掃等の作業完了後に「うーん、美しい!」とよく言っていることを思い出し「面白い表現をする子だなぁ」と一人で笑っていました。
続けて彼は言いました。
「店長が通りかかった時に『いいね、今日も美しいっ!』って言ったらその日は勝ち。無言でスッとこの辺を拭き始めたら負け。」
「店長の『美しい』が聞けたら合格、それが最低ラインの基準。」
自分ではあまり意識したことはなかったのですが確かに高頻度で「美しい」と言っている気がします。彼に教えていた時、ユーモアのひとつとして何度か言ったのかもしれません。
久保君にとってはそれが印象的でひとつの基準となったのだと思います。

私の「美しい」という判断基準がそもそもどのレベルなのか?という話は一旦置いておくとして、少なくとも「第三者の目線で判断してもらう」という意識を持って仕事をしている事は素晴らしい事だと思います。特に、自分が忙しかったり、役職に就く等状況や立場が変わると注意してくれる人が少なくなり、基準が甘くなりがちです。

元々は私発祥の「美しい」ですが(たぶん)、一周回って「自己満足ではなく、第三者・お客様目線で考え行動する」という大切な事を彼から教わりました。
久保君は3月で退職し春からは新社会人として巣立っていきますが「いいね、今日も美しいっ!」と言える、そんな人生を送ってほしいと願っています。

投稿者のひとこと

綺麗で清潔な店舗を保ちたいと思います。

投稿者刈屋 雄介さん

No.2

大変緊急事態発生どうする?

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ある日の夕方、スタッフが「お客様がトイレの前で動けなくなっています!」と駆け寄ってきました。
急いで行ってみると、男子トイレのドアに手をついて立っている年配のお客様がいました。
「大丈夫ですか?」とお声掛けすると小さく頷いただけ。私は後ろから抱きかかえて補助しながら「気分はどうですか?動けますか?」と意識の確認をし、何とか体勢を変えようとしていた時、もう一人のスタッフが駆けつけてくれました。私は慌てて「椅子を持ってきてください!」そして「マルハンスタッフさんを呼んできてください!」と頼みました。すると、すぐにマルハンスタッフさんが来てくれたのです。

悪戦苦闘する私の代わりにお客様を抱えて椅子に移動させてくれたあと、もう一人スタッフさんを呼んで来てくれて二人でお声掛けをしながら車椅子の準備をしてくれました。おどおどする私に、「大丈夫です。あとは任せて下さい!」と心強い言葉を掛けてくれました。私は頷き、もう一言お声掛けすると、少し状態が良くなったのか小さな声で「ありがとう。頭をやっちまったんで・・・ 」と自分の頭を指さしました。表情も穏やかできっと安心したのだと思います。そのあとマルハンスタ ッフさんが、家まで送り届けてくれたのです。
私も安心しながら「マルハンスタッフさんてすごい!!」と思いました。
あんなに短時間でお客様に安心を与えながらテキパキと状況判断しながら見事な対処でした。

昔、ディズニーランドで同じように体調の悪いお客様の対処を見たことがありました。やはり見事で見守っている私達も安心できるレベルでした。
それと同じことが今、目の前で起こったのです。
私も長く勤めていますが初めての事で、もちろんマルハンスタッフさんもあまりないシーンだと思います。それなのにしっかりと対処できるスタッフさんが沢山いるマルハンは本当にすごいです!!

私達だけではどうなっていたでしょうか?
お客様の体調を気遣う行動とチームワーク、そして何よりも心をほぐすお声掛けであんなに不安そうだった表情がみるみる穏やかに変わっていった事を私は忘れません。
これから高齢化社会でこういうシーンに出会ったとき、この経験を思い出して慌てないように、お客様をしっかりフォローしたいと思いました。
そしてマルハンの皆様に日頃から「何かあったらいつでも言ってください 」と声を掛けて貰っていて本当に心強いです。
いつもありがとうございます。そしてお客様、良かったですねー。

◆ 追伸:今もそのお客様は来店してくれています!!

投稿者のひとこと

エンタメとは、お客様に明るい未来を見ていただいて、楽しませるだけでなく
時として、安全・安心を確保しなければいけない仕事なんですねー
自分はまだまだだなぁーと思いました。

投稿者瀧澤 ゆかりさん

No.3

ステキな出来事

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お身体の不自由なご年配の女性のお客様。
いつも娘さんに手を繋がれゆっくりゆっくり歩きながらご来店されます。
会話をする事はほとんどありませんが、毎日決まってバナナジュースをご注文してくださいます。

ご注文の際は、ご遊戯台の肘置きを支えにしながらゆっくりと席を立ち、ズボンのポケットに隙間を作り小銭を掴んで渡されます。
それがたまたま10円玉ばっかりなどお金が不足している時もしばしば。そんな時はまた違うポケットから小銭を探して、、、
片方の手しか自由に動かせないためスムーズに探せずにお時間がかかることもありましたが、ドリンクをお持ちするといつも「ありがとう」と笑顔で受け取ってくださいます。

ある日ご注文を受けた際、いつものようにポケットから出されたのはバラバラの小銭ではなくティッシュに包まれた何かで、不思議に思いながら広げるとそこには、バナナジュースの代金460円がぴったり揃えて入れてありました。
ご来店前にわざわざお金を準備するほどドリンクを楽しみにしてくださっていて、そして、少しでもスムーズに注文できるようにお客様自身で考えてくださったんだと思うと胸がいっぱいになりました。

数日後、娘さんから「ここのバナナジュースは美味しいっていつも母が話してるんです」とお話を聞いた時は、嬉しさと同時に感謝の気持ちが溢れてきました。
ドリンクを楽しみにしてくださっているお客様のために、改めて"ありがとうございます"の気持ちを込めて目の前の一杯を作っていこう。
そう思えた出来事でした。

投稿者のひとこと

当たり前になっているご注文も決して当たり前ではない。
慣れた仕事を見つめ直すステキな出来事に感謝です。

投稿者江上 香さん