流れる涙を笑顔に変える
経堂店には若いスタッフが多く、約8割のスタッフは大学生で構成されており元気とやる気に満ちたスタッフばかりです。私たちのお店は居酒屋ではありますが、将来を見据えて完全禁煙となっています。特にご家族連れのお客様には大変人気の高いお店で週末はお子様の声でお店に活気がつきます。そんなお店だからこそのエピソード紹介です。
ある週末の夕方頃でした。ご家族で4人、お若いご夫婦にお兄ちゃんが5歳くらい、弟さんが2歳くらいで来店されました。お子様たちは楽しそうに過ごされ、串をおいしそうに食べながらお店のサービスの一環でジュースを頼むごとにジャンケンをし勝ち負けでジュースのお値段が変わるゲームで楽しまれておりました。その姿をスタッフ、周りのお客様も見ながら和やかに時間が進みました。
ご家族がそろそろ帰る頃、お店では無料でお子様たちに手作りソフトクリームをプレゼントする事になっており、スタッフと一緒にソフトクリームを作る事がお子様の間で楽しみの行事でした。先にお兄ちゃんがソフトクリームを作り笑顔で食べ、その姿をうらやましそうにしている弟さんがソフトクリームの種類を選んでいると、たまたまラムネアイスがいいと伝えてくれたのですが売切れで「違うアイスにしよっか?」といったところ、お母様がこの子は乳製品アレルギーでラムネアイスしか食べられないと言われ「お兄ちゃんは食べて僕はダメなの?」と大粒の涙を零しながら席に戻っていく姿に、後ろで作業していた小出さんが「遠藤さん、俺、アイス買ってきていいですか?」「おお!」と私は答え、小出さんは猛ダッシュでラムネの種類のアイスをその子に届けてくれました。
寒い季節の中、小出さんは汗を流しながら、お子様の笑顔のために走り終え「遠藤さん、あの子を笑顔にしてみせましたよ!」と自慢げに言ってきたので「そうかい。ありがとう。」と伝えました。さっきまで大声で泣いていたお子様はおいしそうにアイスを食べ、帰りは笑顔で帰りました。
私は外まで見送ると小さな手で大きく手を振り「バイバーイ」と大きな声で言ってくれました。小出さんは先に時間が来て帰ってしまいましたがその声はきっと小出さんの心まで届いたと思っております。
サービスとか、おもてなしとか言うのは簡単ですが、ただ笑顔にしたいと思い行動した結果、泣き顔を笑顔に変える行動こそが本物のサービスである。
投稿者遠藤 真之さん